遊星歯車機構

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加藤シゲアキ君の政治的発言について思うこと。

このあいだ書いた日記で、ジャニーズも政治のこと言ってもいいんじゃないかって話を書いたんですが、加藤君の件で考えることがあったので追記として書いておきます。

先日のはこれ。 

ジャニーズのアイドルが政治のこと言ってもいいんじゃないか。と思ってます。それでファンの政治的なことへの関心が深まるのであれば凄く良いことではないかと思う。今回の加藤シゲアキ君の件。朝日ジャーナルでSEALDsに対しての好意的発言があり、それで賛否両論が出てるんですがそれについて思った事を書いてみようと思います。

朝日ジャーナルという媒体について。

まぁ、朝日だからそりゃ朝日ですね。そもそも朝日という紙面で自民党を褒め称えるわけがないしそれだったらSEALDsに関して発言するほうが納得というか、元々の雑誌の色で最初っから「まぁ、そうやんな」という結論が見えます。なので妥当なわけです、発言的に。

知ってる人なら「そうだよねー」と言って貰えると思うんですけど一体なにが「朝日」だと「そうやんな」になるのかを説明すると、ちょっと長いんですが我慢して読んでみてください。

朝日ジャーナルという雑誌の発行元は「朝日新聞社」です。今は新聞を取ってる家庭も少なくなったと思うのですが、新聞社、というのは昔から政治ととても関わりが深いです。新聞は各新聞社が自分たちの意見を載せる媒体として使っていますので、ニュースを客観的に載せているようでそうでもないんです。なので各新聞社ごとに色があります。右翼、左翼、と大っぴらには言いませんがよくよく読むと「これ現政党批判だな」「やたらと共産主義賛美するなぁ」とか「天皇制について批判的だな」というのが各新聞によって違います。(書いてある例に悪意が見えるのは気のせいです/苦笑)

現政党批判だったり共産主義賛美だったり天皇制について批判的、というのは基本的には「左翼」とみなされ、一般的に「アカ」と呼ばれます。(何故「アカ」なのかというと共産主義のイメージカラーが昔っから「赤」だからです。なんで現政党批判が左翼なのかとかそのへんの説明は省きますね。多分一般常識です)ただ、そんなことは新聞社は言いません。だけども読んでるほうとしては「この新聞社は〇〇だな」「こっちは△△だな」と思うわけです。だから私は個人的に「天声人語読め」っていう高校時代の教育あんまりよくないんじゃないかと思ってるんですけどね(今はどうか知らん)。そのへんは日教組とのつながりでそういうことになってたんでしょうけど……(という個人的な感想)新聞社によって思想に偏りがあるんだから、若いうちからそれ読ませるのって洗脳じゃないかと思ったり。幅広く、多くの社説を読ませるならいいんですけども。

で、それはさておき朝日っていうのはその、色が強い新聞社でしてそうなるとその媒体で発言することは大抵「色が強まる」わけです。もし加藤君が自民党の良い話をしたとしてもそれは載らないだろうと予想します(推して知ってほしい。あんまりがつっと書きたくないのでうすらぼんやりしてますけど)。だから、インタビュー受けた時点で何等かの色は出されるよね、という。そういう意味で発言的には「妥当だよね」と思ってます。

② SEALDsについての賛否両論

自由民主主義を守るため」の若者の団体です。もうあんまり語りたくない(笑)ただ、自分が学生時代に知ってたらそれなりに面白いと思うかもなぁ、程度のことは思ってます。目立つ思想は「戦争法案反対」でしょうか。戦争法案と彼らが呼ぶのは「日本国憲法第9条の改正」のことです。日本国憲法の第9条はざっくり言うと「平和憲法」と日本国憲法が呼ばれる根幹の部分であって「戦力の不所持」「戦争の放棄」「交戦権の否定」等で構成されています。現与党はこの憲法を改正しようとしていることから、それに許さない! と共産党などが断固反対しているのが現状です。(ちなみにこのまま自公連立与党が3分の2の議席数を獲得したままだと多分可決されるので憲法はいずれ近いうちに改正されるでしょう。だから今回の選挙大事なんですよ)

SEALDsは学生運動を通じてこの憲法改定を阻止しようと(他のこともやってるんで詳しくはサイト見てみてください)動いている若者のグループです。今回加藤君はこのグループに好意的な意見を寄せたわけです。

「え! すごくいいことじゃん!」と思う方もいただろうし「マジかよ、頭悪い」と思った人もいたでしょう。

じゃあまず「すごくいいことじゃん!」という感想なのですが憲法9条改正反対、つまりは「戦争起きてほしくないよ~やだ! 戦争絶対反対!」の場合はこの感想でおかしくないと思います。「なんか加藤君が政治のこと言っててなんかかっこいい」というのは論外として、ある程度SEALDsの活動内容を知ってて、憲法改正を阻止しようと学生運動やデモで彼らが若者なりに「現政治を変えようとしている」という好意的な見方をするのであればそう思う人もいらっしゃると思います。現9条を変えるということは諸外国の日本の見方もまた変わって来るでしょう。それはリスクにもなりかねません。日本は「平和憲法が存在する」と諸外国は知っているわけですから、9条で守られていると言っても過言ではないわけです。例えば「自分の事は自分で守るので9条を改正します」と言った場合、「じゃあうちはもう要らないよね」と日米安保がどうにかなってしまう可能性もある。中国なんかは特に「日本が軍事国家になる」と騒ぎ立てることになるでしょう。勿論、野党が言うようにもしかしたら自衛隊が「自衛」以外に使われる可能性もあります。戦後約70年も平和が続いていた日本、これからも「平和的に暮らしたい」と思うのは当然です。若者が率先して「自分たちの未来は自分たちで決めたい」と動いているわけですから「すごくいいこと」という感想も納得できます。 

じゃあ次に「マジかよ、頭悪い」の感想。こちらは現在中国によって東シナ海に軍事的緊張が起きていることを知っていたり(東シナ海ガス田問題とかもうずっとやってますね)、南シナ海で中国がとんでもないことやってたり、シリア問題で各国がどのような対応をしているかなどを知っていたりする人が抱く感想なのではないかと思います。どちらかといえば憲法9条改正をOKとみなす人たちがこちら側ではないかと予想します。この場合の主張は「戦争をしたい」というわけではなく「国際事情で刻々と状況が変化していく中で日本が70年前の憲法を引き摺るのは(しかもアメリカが決めたような憲法は)いかがなものか」というのが主ではないかと思います。戦争をしたいわけではなく、もし諸外国と緊迫状態になった場合、日本が「どのように自国を守るか」ということを考えた上でそれならば「憲法を改正してもいいのではないか」という。そう思う方々の場合、「戦争反対」だの「アベシネ」を繰り返すSEALDsに対して懐疑的です。そもそも「戦争法案」てなんだよ、海外に派遣される自衛隊が自分たちでは憲法内で補いきれない行動がある場合、大変なのは派遣されている方で、臨機応変に動こうとしても憲法が邪魔して歯痒い思いをしたこともあったかもしれない。彼らの意見も聴いたうえでよしとするなら良いのではないか、まず「戦争法案」とか言ってるお前は海外に派遣されてねぇだろ。と思う場合もあるでしょう。諸外国の動きをよく知っていて、日本が「国際社会の中でどうあるべきか」を考えた上で「憲法改正、それも平和への道」とそう思われる方が多いのではないかと思います。そんなわけで「マジかよ、(そんなこともわかんないなんて)頭悪い」という感想に含まれてる意見はそういう感じではないかと思われます。

 どっちがいいとか悪いとか一概には言えないという結論になるのでした。だから自分の頭で考えて選挙行こうね、ってこないだも書いたんですが、自分たちの意見を通すチャンスなんです。憲法改正のことだけが主な論点てわけでもないんですがわかりやすい議論なので使われてる、て感じですね、今回の参議院選でも。

あ、話がズレ始めてる。そんなわけでSEALDsに関して「なにかを言う」と言う場合こうやって賛否両論が生まれるのは必然なのでした。SEALDs自体を共産党が推してますから余計に「色」が目立ってしまっていて、そうなるとその色を好く人、好かない人で意見が分かれると言う現状です。

③アイドルは政治的発言をすべきか否か

私は前にも書きましたけどしたほうがいいって思ってたんです。したほうが若い子が政治に興味持ってくれるからいいなって。だけど今回の件を見ていて「あ、これは難しいことなんだな」と再確認しました。リスクが思った以上に高い。結構衝撃でした。

でもこの「リスク」は日本の教育に問題があるんじゃないかと思いました。

海外のアイドルが政治のことを言うときに、土壌として「政治を知っている若者」というのが出来上がっている。政治を知っている若者というのは、「彼の意見は左翼」「彼女の意見は右翼」だけれども「彼女は彼を軽蔑しないし彼もまた彼女を差別することもない」という状況が出来上がっている状態です。「彼、彼女の意見」が「私の意見」と差異があったとしてもそれは「意見として納得する」。だけど「自分の考え方は違う」というのが両立している状況、というのは普通に見えて意外と難しい状況です。

日本のもしかしたらアカデミックな場所ではそれは成立しているかもしれませんが、日本全土を見ればそれは難しい状況なんだろうなと。彼の意見が「SEALDsに好意的」であろうと私の意見は別の意見、だけど彼の意見は意見で尊重する。ということが難しい土壌が出来上がってるっていうのは教育の所為なんじゃないかなー……と思うんですが。もう少し公民に力を入れた方がいいと思うし(そうしないのは多分前の日記にも書きましたが「若者に政治に関わってほしくない」からではないかと)、若い世代も「わからない」「しらない」ではなく政治的意見を誰かが述べた際に「そうなんだ。そう言う考え方もあるんだね」という上で「自分の考え」が喋れるくらいではないと、政治的意見をアイドルが述べるのも難しいんだなーと思いました。

個人主義が出来上がっている海外と集団主義が美徳の日本では仕方のない点なのかもしれませんが。でも教育以外の因子もあるのかな。同調することが良しとされる民族だからそういう民族の遺伝子的なところもあるのかもしれない。

私はアイドルが政治的なことを発言してもいい、と思ったの前提としてこの「土壌」が存在すると思っていたからなんですが、個人の主義主張を知ってもそれを「他の意見として尊重する」ことが出来ないのであれば、政治的発言はリスクが高い。と感じました。

でも加藤君の今回の件、考えさせられましたが私はこういう子が増えてもいいと思うんです。でもそれには受け取る側の能力も必要だなと思う。全てを受け入れて「加藤君が言うから」と同調してしまう場合はあぶないと思いますが、多かれ少なかれアイドルに関してはありうる話ですから。大抵のファンは考えることができると思います。

「言わない方がいい」という意見も凄く理解できます。現状では言った側のリスクが高すぎる。けれども、主義主張や思想があるアイドルというのも存在してはいいのではないかと思うんです。「彼の主義主張」に同調するか否かはファン自身が決めればいいことであり、その発言で彼の価値が落ちることもないと思います。 

 「政治の事」に関してひとりひとりがちゃんと意見を言うことができる、というのはとてもいいことだと思うし、違う意見に対して否定ではなく、その意見はその意見で認める、けれども自分の意見は違う、というように自分と他をうまく共生させていけるのが一番いいんだろうなと。すぐにはできないし日本の土壌では難しいのかもなとおもいますが、アイドルが政治的発言をした、ということがニュースにならないような「自然なこと」になるような世の中が来たらいいのになー なんて思うのでした。

それから加藤君が政治的なこと言ったから今後干されるか否か、て話が出てましたが干されないと思います。今回の思想で言えば干すとしたら産経系ですけど産経系は新聞とテレビでは割れてるからテレビ出演を干されることは無いと思います。(ジャニーズとフジが仲良しだからという意味合いです)そもそも政治的思想で「干す」「干さない」はもうテレビでは無理だと思うんですけどね。よっぽど過激な思想でない限り使えるものは使うと思います。政治的思想云々よりも視聴率を取る時代だと思いますから。使い勝手が悪くなる、というのも「政治的発言をされると困る」側の話だと思うのでさして気にする必要もないかと。そもそも事務所が強い、という意味で「干す」のは不可能に近いと思われます。事務所側も朝日ジャーナルと言う媒体にOK出した時点である程度のことは許容してると思いますし。干す、干されるはジャニーズ事務所内に限り、外部のマスコミ要因ではなく、事務所内部での問題だと思うので(出演数減らすとかそう言うのは事務所内部で操作できるという意味合いで)、その点に限って言えば今回の発言で使い勝手が悪くなることもないかと思います。個人的な感想ですけども。

というわけで読んでくださってありがとうございました。次は政治じゃない日記書きたいなー中丸君のソロ曲聴き過ぎて最近中丸君の夢を見ました。やったぜ。

第24回参議院議員通常選挙)